以前、WordPress のテーマ、プラグイン開発者にオススメできる軽量なテキストエディター「Boostnote」で、プログラマ、デザイナーにオススメのテキストエディター「Boostnote」についてご紹介しました。今回、ご紹介するのは、プランの内容が度々変更され、その変更についていけない Evernote ユーザの皆様にお送りする、Evernote 形式のノートを「Boostnote」にインポートするためのツールについてです。Ruby が使える環境であれば簡単に使用できます。
Evernote から Boostnote に変換するための「ever2boost」
Evernote は、使いこなせば使いこなすほど味の出る、究極のノートであることに、現在もなお変わりはないと思いますが、度重なる Evernote の仕様変更(無料プランで使用できるデバイスが制限されたり、利用料金が変更になったり)についていけなくなった方々も多いはずです。もし、Evernote をただのノートとして管理している、別にデバイス間で同期して便利に使用しているわけではない、という方にオススメなのが、今回ご紹介する「ever2boost」です。
Evernote Web Clipper で保存したノートを「ever2boost」に移行する
今回ご紹介する「ever2boost」は、文字通り Evernote のノートを「Boostnote」に移行するための、オープンソースのコミュニティにの協力のもと開発された強力な移行ツールです。今回は、Safari や Google Chrome の拡張機能としても有名な「Evernote Web Clipper」を使用して保存したノートを実際に「Boostnote」に移行してみました。サンプルに使用した Web ページは弊サイトのMac の内蔵ストレージを効率的に節約する方法(macOS Sierra 編)です。
前述の Web ページを Google Chrome の拡張機能である「Evernote Web Clipper」を使用して、Evernote に保存した場合、上記のように保存されます。Web ページの内容が見やすく綺麗にまとまっています。熟練された拡張機能であるだけにその完成度は高いですね。では、このノートを「Boostnote」に移行してみましょう。
ノートを選択して、「ファイル」→「ノートをエクスポート」を選択します。
ノートは「Evernote XML フォーマット(.enex)」形式で保存します。名前は任意で構いませんが、CLI ツールである「ever2boost」で使いやすいように半角英数字にしておくことをオススメします。
「ever2boost」のインストール
macOS Sierra をご利用の場合、Ruby が標準で使用できます。「ever2boost」は Ruby で動作するプログラムとして、Ruby のライブラリである「RubyGems」として公開されているため、簡単にインストールを行うことができます。ターミナルを開いて、以下のコマンドを実行しましょう。sudo
コマンドを使用するため、管理者グループに属するユーザで実行してください。
sudo gem install ever2boost
たった、この 1 行だけでインストール完了です。インストールが完了したら、コマンドのパスを認識させるために、ホームディレクトリ上の.bashrc
(zsh を使用している場合は、.zshrc
)を読み込み直すか、ターミナルを再起動してください。
「ever2boost」を使用して「Evernote」を「Boostnote」に変換する
続いて、ターミナルで、さきほど保存した「.enex」形式のファイルを変換します。たとえば、「ドキュメント」フォルダー配下に「mynote.enex」というファイル名で保存した場合は、以下のコマンドを実行します。
ever2boost convert ~/Documents/mynote.enex
コマンドの実行結果が以下のように表示されることを確認します。
converting...
converting Macの内蔵ストレージを効率的に節約する方法(macOS Sierra編)
The notes are created at /Users/ottan/evernote_storage_enex
「Boostnote」のノートはフォルダー単位で管理されます。変換に成功すると、「Boostnote」形式のフォルダーがカレントディレクトリ配下に自動的に作成されます。
変換したノートを「Boostnote」に読み込む
では、「ever2boost」によって変換されたノートを、実際に「ever2boost」に読み込んでみましょう。
Boostnote を起動したら、左上のの「Menu」をクリックします。
続いて、「Storages」メニューから「Add Storage」をクリックします。
インポートするノートの名前を「Name」に入力します。ノートの名称は後から変更できます。
「Location」から、変換した Evernote のノートが保存されているフォルダーを選択します。パスについては、「ever2boost」の実行結果に記されています。
最後に、「Create」ボタンをクリックします。
そして、変換された結果がこの通りになります。ノートは、「Markdown」形式で保存されていることがわかります。そのため、「Markdown」形式に慣れている方にとっては、簡単にノートを編集できますね。ただし、記事執筆時点では、画像ファイルは正常に変換されないようです。「Markdown」形式のノートに画像の参照先は記されていますが、その参照先に画像ファイルが存在しない状態でした。そのため、画像を多用するノートの移行には向いていません。
まとめ
このように画像ファイルが正常に変換されないなど、現段階ではまだまだ課題があるものの、「Boostnote」の将来性を見据えると、今から移行する用意をしておくのも 1 つの手かもしれませんね。